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THE CHASE IS ON/CHARLIE ROUSE PAUL QUINICHETTE

THE CHASE IS ON/CHARLIE ROUSE  PAUL QUINICHETTE_e0041611_21504591.jpg83枚目です。1957年に録音されたベツレヘムレーベルの1作。地味ながら味のあるテナー奏者二人によるテナーバトル!ってところでしょうが、ロリンズやコルトレーン、或いはグリフィンの様に吹きまくり大会ではなく、お互いの個性を尊重し、なめらかに上品にバトルします。細めの線で繊細な感じの音がクイニシェット、音の輪郭にギザギザ感があり幾分太く聴こえるのがラウズです。私にとっては、まったりジャズの範疇に入るんですが、アップテンポの曲ではそれなりにスリルもあり最近よく聴くアルバムです。この作品、ピアニストの選択がよろしい!ウイントン ケリーにハンク ジョーンズ!ハンクは2曲だけですが、例のごとく演奏の格調を高くします。あとの6曲はすべてケリーが弾きますが、これが調度いいモダンなスイング感(勿論当時の)を提供してるんですよ。きっついフィルモアなマイルスや、ごっついバンガードのコルトレーンを聴いた後にこれを流すと、なんとも言えない安らぎがやってきます。そうですねぇ、敢えて言うならこの作品、円熟味溢れるベテラン漫才師の漫才を聴いている様な感じです。最新の、或いは流行の漫才ではないけれど、披露されるとついつい引き込まれて見てしまう聴いてしまう、そんな感覚です。そう思って聴くと、M-1の出だしが出囃子に聴こえます。そう思ってジャケットを見ると、二人が公園かどこかで漫才の練習をしている様にも見えます。ちょっぴり笑ってしまいます。ベース担当のウェンデル マーシャルや、ドラムス担当のエド シグペンも地味ながら上品なプレイ。ハンクがピアノを務めるセッションにはカウント ベイシー楽団の名ギタリスト、ミスター四符音符のフレディ グリーンが参加、これも魅力です。熱く語るのではなく、自然体で流れる様に語るテナーの音。味で聴かせる味なアルバムです。
by herbiee | 2006-04-22 22:44 | 音楽
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